体のしくみと「いのち」のお話
「先生みんなにやってほしいことがあります!」
え?いきなりなに?という表情の子ども達に「いまから限界まで息を止めてみて!はいスタート!」
いきなり始まった息止め大会、きちんと息を止めた子どもはものの30秒で限界に。
ハーハー!と肩で息をする子ども達に「このまま息を止め続けていたらどうなったかな?」
と質問すると…「苦しい」「魂が抜ける」「死んじゃう」との声が。
人間の体は普段意識しなくても、きちんと呼吸をしながら生きている…
ということを実感してもらったところで、
今日は体のしくみと「いのち」について一緒に考えてみることにしました。
まずは体のパーツの話で、
バラバラに置かれた人体のパーツを正しい位置に配置できるかチャレンジ!
とても上手に配置できており、五感(味覚・聴覚・嗅覚・視覚・触覚)について体のどの部分で感じているのか質問。
「触覚」は少し難しかった様で、初めは「手だよ」と答えた子ども達も、
手以外にも体のいたるところで色々と触れたり感覚を感じたりできるよね、と納得していました。
また、人体パーツの上に重なるように骨や内臓も配置してもらい、それぞれにどんな役割を持っているのか一緒に考えてみました。
体には色んなしくみがあることを知ったところで、実際にどんな形をしているのか立体の模型を見てみることに。
内臓模型や骨格模型に驚いて「きゃー!」と悲鳴をあげつつ、興味津々の子ども達。
自分達で内臓や骨を手にとり、形や色を確かめつつ、
「これ何?」と満面の笑みで聞いてみたり、自分達の体のしくみについて身近に感じている様子がみられました。
なんとなく、人体ってこんな風にできている…と理解したところで、
先程使用した骨格や内臓図の上に妊娠初期の胎児を重ねて「これは何でしょう?」とクイズ。
最初は「虫?」なんて答えていた子ども達も、だんだん胎児の姿を妊娠中期~後期に成長させていくと
「えー!なんかひもあるよ」(へその緒のこと)「あ、分かった!赤ちゃん!」と笑顔に。
赤ちゃんがどのくらいの期間お腹の中にいて生まれてくるのか聞いてみると
「3か月」「3年?」「え!長いよ!」など色んな意見が。
「10か月!」と答えてくれた子もいてみんなで拍手!
そんなに長い期間お母さんは頑張ってくれたこと、生まれ方はそれぞれ違うかも知れないけれど、
みんな周りの人達に愛されて大切にされて生まれてきたんだよということを伝えました。
そして、7月に行ったプライベートパーツのお話や、自分も相手も大切にするためにはどうしたら良かったかな?ということをみんなで再確認しました。
最後に、これまで体のこと、いのちのことを学んできましたが
「死んだらどうなると思う?」と質問すると、
「もう会えない」「心臓が止まる」「血がなくなる」「悲しい」などの意見を出してくれました。
医学的には呼吸停止・心停止・反射の消失などが「死」とされているけれど…と説明しつつ、
一度死んだらもう生き返ったり、決して元に戻すことはできないこと、
だからこそ自分や周りの人を大切にしてほしいことなど伝えるとみんな真剣な表情でうなずいてくれました。
「いのち」についてどう伝えるべきか、大人にとっても難しい話題かと思います。
ですが、今回のお話を通じて子ども達が自分は愛されていること、自分がまわりの人も大切にしていける存在なんだということを知るきっかけになればと思います。